濁度測定

濁度は特定の光を培養液に当てて、その光の散乱具合によって調べること
培養液の濁り具合(濁度)を測定する方法は、細菌や酵母などの微生物に対するもっとも簡便で迅速な増殖測定法です。濁度は特定の光を培養液に当てて、その光の透過がどのくらい散乱によって阻まれるかによって調べます。微生物が多くなると光の散乱具合も大きくなるので検出器に届く測定光および散乱光が少なくなり、比色計や分光光度計において「吸光度」モードで測定していれば数値が大きくなります。測定操作自体は吸光度を測る場合と同じですが、吸光度が物質による光の吸収であるのに対し濁度は散乱による、という原理的な違いがあります。このため、分光光度計の光学系(メーカーによって異なる)によって、微生物のような大きな粒子の懸濁液の濁度を測った場合、値に違いが出る場合があります。

当サイトでは濁度と吸光度を測定操作の共通性から便宜的に同様のものと解釈しますが、以上のような違いは覚えておくとよいでしょう。ところで吸光度と透過率は逆数の関係にありますが、どちらで表記するかは基本的に数値が大きくなっていくほうを選ぶようです。具体的には吸光度はおもに大腸菌や酵母など、増殖に伴って培養液が濁ってくる場合に、透過率はλファージのように宿主菌を溶菌させる(培養液が透明になっていく)ことで増殖するような微生物の場合に、それぞれ用いられています。

濁度法は生菌と死菌を区別することなく全菌数対象として増殖具合を調べる方法ですが、対数増殖期(微生物などがもっとも盛んに増殖している時期)においては死菌数はごくわずかであり、また全菌数と濁度はよい相関を示すので、コロニー計数法(培養液を寒天平板培地に播いて発生したコロニーを数えることで生菌数を調べる方法)によって生菌数と濁度の間の標準曲線(検量線)を作成しておけば、濁度から生菌数をほぼ定量的に調べることができます。

濁度法は、実験の目的によっては菌数まで調べなくとも濁度の数値だけで十分な場合も多いので非常に便利な手法ですが、濁度がある程度高くなると菌数が増加しても濁度はほとんど増加しなくなるという飽和現象があることに留意しなくてはなりません。

どのくらいの数値で測定上の飽和に達するかは測定装置によって異なるようですが、一般的には2で、直線性を考えると1.5までです。1.5以上の数値を正確に測りたい場合は、用いた培地で培養液を希釈してから測ります。なお、濁度を測るための波長は一般的に600nm、630nm、660nmが用いられています。

600nm以上の長波長が用いられているのは、微生物用の培地には短波長に吸収を示すものが多いこと、前述の飽和状態をなるべく遅らせるため(長波長は短波長よりも透過しやすい、といった理由によります。

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